再生医療のクリニックで聞いた話が、思ったより地味だった件

ヒト幹細胞って、なんかすごそうな響きじゃない?
友人が美容クリニックで働き始めてから、やたらとこの話をしてくるようになった。最初は「また新しい美容成分の話か」くらいに思ってたんだけど、よくよく聞いてみると、これが想像以上に面白い。というか、ちょっと怖いくらい。人間の細胞が持ってる「自分で自分を修復する力」を使うって発想が、SF映画みたいで現実感がなかったんだよね。
でも実際のところ、再生医療って言葉自体はもう何年も前から聞いてた気がする。iPS細胞とか、ニュースで見たことある人も多いんじゃないかな。ヒト幹細胞を使った治療も、その延長線上にあるもので、要は「細胞レベルで組織を元気にしましょう」っていう話。肌のハリがなくなってきたとか、関節が痛むとか、そういう「年齢とともに衰えてくる部分」に対して、幹細胞が出す成分を使ってアプローチする。化粧品とかサプリとは根本的に違う、もっと内側からの働きかけなんだって。
あ、そういえば去年の夏、母親が膝の痛みで整形外科に通ってたんだけど。
あのとき医者に「軟骨は戻らないから、痛み止めと湿布で様子見ましょう」って言われて、すごくガッカリしてたのを思い出した。結局、痛みを「消す」んじゃなくて「ごまかす」しかないのかって。でもヒト幹細胞の治療なら、その軟骨そのものに働きかけられる可能性があるらしい。完全に元通りとまではいかなくても、組織の修復を促すことで痛みが和らいだり、動きやすくなったりする人もいるんだとか。
美容の分野でも同じような考え方で、シワやたるみって結局は「肌の細胞が元気を失ってる状態」なわけで。そこに幹細胞培養液を届けることで、コラーゲンやエラスチンの生成が活発になる。表面を塗り固めるんじゃなくて、肌そのものが「もう一回がんばろう」って思い出す感じ。友人が言うには、施術を受けた人の中には「ファンデーションの乗り方が変わった」とか「朝の顔が違う」とか、そういう地味だけど確実な変化を実感する人が多いらしい。派手な即効性じゃなくて、じわじわと「あれ、なんか調子いいかも」っていう。
クリニックの待合室って独特の匂いがするよね。消毒液とアロマが混ざったような、あの感じ。
実際に施術を受けるとなると、注射だったり点滴だったり、場合によっては専用の機器を使ったりするみたい。美容目的なら顔に直接注入することもあるし、全身の疲労感とか不調に対しては点滴で体内に入れる方法もある。痛みに関しては、まあ注射だから多少はあるんだろうけど、麻酔クリームを使ったりして工夫してるところが多いって聞いた。ダウンタイムも比較的短くて、翌日から普通に生活できる人がほとんどらしい。ただ、効果の出方には個人差があって、1回で実感する人もいれば、数回繰り返してやっと変化に気づく人もいる。そのあたりは体質とか年齢とか、いろんな要素が絡んでくるから一概には言えないんだけど。
で、ここからが一番興味深かったんだけど、ヒト幹細胞って「誰の細胞を使うか」っていう問題がある。自分の細胞を培養して使う方法もあれば、他人の幹細胞から抽出した成分を使う方法もある。後者の場合、ドナーの健康状態とか年齢とかが品質に影響するから、クリニック選びがめちゃくちゃ重要になってくる。安全性の基準をクリアしてるかとか、どこの研究機関と提携してるかとか、そういう部分をちゃんと確認しないと怖いよねって話を友人としてた。
再生医療って言葉の響きだけで飛びつくと、たぶん後悔する。
でも逆に、ちゃんと理解して、信頼できる場所で受けるなら、今までの美容法や治療法とは違う選択肢として、かなり有力だと思う。少なくとも、私の母親の膝みたいに「もう治らない」って諦めてた部分に、もう一度希望が持てるかもしれないっていうのは大きい。まあ、実際に受けるかどうかはまだ決めてないけど…興味はある、かな。
組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆