幹細胞のドナー登録について!
血液の血球に含まれている赤血球や白血球、血小板といった細胞はすべて造血幹細胞が分化して作られているものです。
幹細胞にはさまざまな種類があり、共通していろいろな種類の細胞へ分化する性質に加え自らと同じ幹細胞を複製する性質も持っています。
つまり造血幹細胞は赤血球や白血球、血小板へ成長していくほかに自己複製で同じ造血幹細胞にも分裂していくのです。
双方の性質が正常に機能していることによって、造血幹細胞は血球へ分化していってもあらたに複製され維持されることになります。
そして、造血も絶えず行われ続けていることが通常の状態です。ところが白血病などを発症すると、造血を正常に行うことができなくなってしまいます。
そのような場合に造血の機能を取り戻す目的で選択される治療法が、「末梢血幹細胞移植」と呼ばれるものです。
「末梢血幹細胞」は元は造血幹細胞であり、本来であれば骨髄にある造血幹細胞が血液へ流れ出たものを言います。
そのような造血幹細胞をドナーから採取し、患者さんへ点滴することによって造血の機能を取り戻すのです。
ドナー登録について
末梢血幹細胞移植が実行されるためには、前提として骨髄バンクでのドナー登録がなされていなければなりません。
患者さんに対してドナーが適合するためには、条件があります。白血球である「HLA」の型が一致しなければなりません。
その候補は、第一に血縁者から探すことになります。それでも見つからなければ骨髄バンク、また臍帯血ドナーなども含めて範囲を広めることが必要です。
ドナー登録の年齢
血縁者に関しては、18歳から60歳の年齢が原則的な条件とされています。状況によっては例外として18歳未満、65歳までの年齢であってもドナーとなる可能性が否定されません。
そのほかのドナーから幹細胞を採取する場合は、日本骨髄バンクが20歳から55歳であることを条件としています。
さらにドナーとしての適格性を判断する上では医師の診察や検査、問診も判定材料です。
骨髄バンクがドナー適格性判定基準を設けているほか日本造血細胞移植学会でガイドラインを設けていますし、ドナー傷害保険との兼ね合いも問題になります。
そして、一定の健康状態が保たれていることも幹細胞移植のドナーとなるためには重要です。
がんなどの疾患はもちろん慢性的な疾患、高血圧や低血圧さらには過剰な肥満ではないことなども条件とされています。
検査を受けている疾患があること、何かしらの薬を飲んでいることもいけません。