肌が記憶を取り戻す日—ヒト幹細胞という、ちょっと怖くて心地いい話

ヒト幹細胞

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最近、鏡を見るたびに思うんだけど、肌って正直だよね。

ヒト幹細胞って言葉を初めて聞いたのは、たぶん去年の夏だったと思う。美容クリニックの待合室で何気なく手に取ったパンフレットに「再生医療」って書いてあって、え、SF?って思った。でも読み進めていくうちに、これって実は私たちの体が元々持ってる力を引き出すだけの話なんだって気づいて、なんだか妙に納得してしまった。人間の体って、本当は自分で修復する能力を持ってるんだよね。ただ年齢とともにその力が弱まってくる。ヒト幹細胞を使った再生医療は、その眠ってる力をもう一度呼び覚ますみたいなイメージ。

私が一番驚いたのは、これが単なる「補う」美容じゃないってこと。今までのスキンケアって、足りないものを外から入れ込む発想だったじゃん。コラーゲン入れたり、ヒアルロン酸注入したり。でもヒト幹細胞は違う。自分の細胞に働きかけて、肌そのものが本来の機能を思い出すように促すんだって。なんていうか、教育に近いのかもしれない。

そういえば前に友達が「肌って臓器なんだよ」って力説してて、そのときは「何言ってんの」って笑ってたんだけど。

幹細胞が放出する成分—正確には「成長因子」とか「サイトカイン」って呼ばれるものらしいんだけど—これが肌の奥にある線維芽細胞っていう、コラーゲンやエラスチンを作る工場みたいな細胞に指令を出すらしい。指令っていうとなんか軍隊みたいだけど、実際そんな感じ。「おい、起きろ、働け」って。で、その工場が動き出すと、肌は自分の力でハリや弾力を取り戻し始める。外から無理やり詰め込むんじゃなくて、内側から湧き上がってくる感じ。朝5時の空気が冷たくて気持ちいいときみたいな、あの感覚に似てるかもしれない。

実際に施術を受けた人の話を聞くと、みんな「肌が厚くなった気がする」って言うんだよね。厚くなるっていうと語弊があるかもだけど、要するに密度が上がるっていうか。触ったときの手応えが違うって。私も一度だけ、あるクリニック—名前忘れちゃったけど、確か「リジェネラボ」とかそんな感じの—でカウンセリング受けたことがあって、そのとき先生が「肌が記憶を取り戻すんです」って言ってたのが妙に印象に残ってる。記憶って、詩的すぎない?って思ったけど、言いたいことは何となく分かった。

再生医療って聞くと大げさに聞こえるけど、美容の分野ではもう珍しくなくなってきてる。培養上清液を使ったトリートメントとか、自分の血液から作るPRP療法とか、選択肢は意外と広い。どれも共通してるのは、「外から足す」んじゃなくて「内から引き出す」っていう思想。これって、考えてみればすごく自然なことなんだよね。だって私たちの体は、もともと傷を治したり新しい細胞を作ったりする力を持ってるんだから。

ただ、正直に言うと最初はちょっと怖かった。幹細胞って、なんか得体が知れない感じがして。でも調べていくうちに、ちゃんと研究されてて、安全性も確認されてるものだって分かって、少し安心した。まあ、何でもそうだけど、よく分からないものって怖いよね。

結局のところ、ヒト幹細胞再生医療の魅力って、自分の体を信じるってことなのかもしれない。外から何かを借りてくるんじゃなくて、自分が元々持ってる力を最大限に引き出す。それってなんか、すごく前向きな感じがしない? 諦めるんじゃなくて、可能性を探るっていうか。

私はまだ実際に施術は受けてないんだけど、いつかやってみたいとは思ってる。いつかね。

組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆