母の手の甲を見て、ヒト幹細胞のことを調べ始めた話

去年の秋、実家で母の手を見てびっくりした。
シミとシワがこんなにあったっけ。いや、あったんだろうけど、こんなに目立ってたかな。母は「年取ったらこんなもんよ」って笑ってたけど、私はなんだか焦った。自分の手の甲もじっと見て、ああ、確かに二十代の頃とは違うなって。
そこから私、ヒト幹細胞再生医療について調べるようになったんだよね。
最初は美容クリニックの広告で「幹細胞」って言葉を見かけた程度だった。正直、怪しいなと思ってた。だって幹細胞って、iPS細胞とかノーベル賞とか、そういう難しい医学の話でしょ。それが美容に使えるって言われても、なんかピンとこなくて。でも調べてみたら、ヒト幹細胞って私たちの体の中にもともとある細胞で、傷ついた組織を修復したり、新しい細胞を作ったりする力を持ってるらしい。子どもの頃、転んで膝を擦りむいてもすぐ治ったのは、この幹細胞が活発に働いてたからなんだって。
ただ、年齢を重ねると幹細胞の数も減るし、働きも鈍くなる。だから傷の治りが遅くなったり、肌のハリが失われたりするわけ。
ここで話が少し逸れるけど、私、高校生の頃に「若返りの水」みたいな怪しい健康食品を祖母が買ってて、家族で大笑いしたことがある。瓶に入った透明な液体で、ラベルには「奇跡の◯◯エキス配合」とか書いてあった。結局、ただの水だったんだけど。あの頃は「老化を防ぐ」なんて発想自体がうさんくさく思えてたんだよね。
でもヒト幹細胞再生医療は、そういう怪しいものとは全然違う。ちゃんとした医療機関で、医師の管理のもとで行われる治療だから。培養した幹細胞を体内に戻すことで、衰えた細胞の働きを活性化させるんだって。肌だけじゃなくて、関節の痛みとか、疲労回復とか、体の内側からのケアにも使われてる。友人が通ってるクリニックでは、採血して自分の血液から幹細胞を培養して、それを点滴で戻すっていう方法をやってるらしい。自分の細胞だから拒絶反応も少ないし、安全性も高いって言ってた。
私がいちばん驚いたのは、これが「予防」にも使えるってこと。老化してから慌てて対処するんじゃなくて、まだ元気なうちから細胞レベルでメンテナンスできる。車の定期点検みたいな感覚で、体の中の細胞を整えておくイメージ。朝起きたときの体の軽さとか、夕方になっても疲れにくい感じとか、そういう日常の質が変わってくるらしい。見た目だけじゃなくて、生活そのものが楽になるって聞いて、ああ、これはただの美容じゃないんだなって思った。
冬の朝、洗面所で自分の顔を見るたび考える。この顔も、この体も、細胞の集まりなんだよなって。
母の手の甲を思い出す。あれはきっと、長年の家事や日焼けや、いろんなものが積み重なった結果なんだろうけど。もしかしたら、細胞レベルでケアする方法があったら、違ったのかもしれない。私は私で、今のうちに何かできることがあるなら、やっておきたいと思うようになった。別に若さに執着してるわけじゃないけど…健やかに歳を重ねたいっていうか。
結局、まだクリニックには行ってない。でも、調べれば調べるほど、ヒト幹細胞再生医療って現実的な選択肢なんだなって感じてる。
組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆