再生医療クリニックで聞いた話が、想像の斜め上だった件

ヒト幹細胞

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友人が「最近なんか体の調子いいんだよね」って言い出したのは、去年の秋口だったと思う。

その友人、実はヒト幹細胞を使った再生医療を受けてたらしい。私が想像してたのって、なんていうか、もっとSF映画みたいな感じだった。白衣の研究者が並んでて、ピピピって機械音が鳴り響いてる、みたいな。でも実際に紹介されたクリニックは拍子抜けするほど普通で、待合室には観葉植物が置いてあって、受付のお姉さんが柔らかく笑ってた。「あれ、ここ本当に最先端医療やってるとこ?」って心の中で何度もツッコんだ。

幹細胞って要するに、体の中で「まだ何になるか決まってない細胞」なんだって。それを培養して増やして、傷んだ組織に届ける。聞いた時は正直ピンとこなかった。だって自分の細胞なのに、わざわざ外に出して増やすって、なんかまどろっこしくない? でもクリニックの先生が見せてくれた資料を見て、ちょっと考えが変わった。老化とか炎症で弱ってる部分って、そもそも細胞が足りてないか、働きが鈍ってるらしい。そこに元気な幹細胞を補充すると、周りの組織が「あ、こういう感じで動けばいいのか」って思い出すんだって。再生っていうより、リマインドに近いのかもしれない。

ちなみに私、昔「セルリバイタ」っていうサプリにハマってたことがある。

再生医療クリニックを選ぶ時、一番大事なのは「ちゃんと説明してくれるかどうか」だと思う。友人が通ってたところは、カウンセリングだけで40分くらいかけてた。どんな細胞をどうやって培養するのか、どのくらいの期間でどんな変化が期待できるのか、リスクは何か。全部、専門用語を噛み砕いて話してくれたらしい。逆に避けたほうがいいのは、やたら「すごい効果!」とか「奇跡の!」とか煽ってくるところ。医療なんだから、確実なことなんて言えないはずなんだよね。むしろ誠実なクリニックほど、「個人差があります」「すぐには実感しにくいかもしれません」ってちゃんと言ってくる。

受けた後の友人の変化は、派手じゃなかった。肌がツヤツヤになったとか、急に若返ったとかじゃなくて、「なんとなく疲れにくくなった」「朝起きるのが楽になった」みたいな、地味なやつ。でもそういう積み重ねって、案外バカにできない。三ヶ月くらい経った頃、久しぶりに会ったら、なんか雰囲気が軽くなってた。表情? 姿勢? 何が変わったのかうまく言えないけど、確かに違ってた。

私自身はまだ受けてない。

興味はある。でも踏み切れないのは、たぶん「自分の体を預ける」っていう感覚にまだ慣れてないからだと思う。美容院で髪切るのとは訳が違うし、サプリ飲むのとも違う。自分の細胞を一度外に出して、また戻すって、考えれば考えるほど不思議で、ちょっと怖い。でもクリニックで説明を聞いた時、先生が「怖がるのは当然ですよ」って笑ってたのが印象に残ってる。その一言で、なんか少し気が楽になった。

再生医療って、まだ発展途上なんだと思う。これから変わっていくだろうし、もっと身近になるかもしれない。私が受けるかどうかは、まだわからない。ただ、選択肢として知っておくのは悪くないと思ってる。

組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆