友人の母親が受けた治療の話を聞いて、正直驚いた

ヒト幹細胞

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去年の秋、久しぶりに会った大学時代の友人が「うちの母さん、幹細胞治療ってやつ受けたんだよね」って、居酒屋でぽろっと言った。

最初は正直ピンとこなかった。幹細胞って、なんかiPS細胞とかそういう難しいやつでしょ?って思ってたから。でも話を聞いてるうちに、これって思ってたよりずっと身近なところまで来てるんだなって実感した。彼の母親は膝の痛みがひどくて、整形外科に通ってもヒアルロン酸注射してもあまり変わらなくて。で、担当医から「再生医療っていう選択肢もありますよ」って紹介されたらしい。

ヒト幹細胞培養液を使った治療。

友人が見せてくれたパンフレットには、幹細胞から分泌される成分が組織の修復を促すとか、そういう説明が書いてあった。幹細胞そのものを移植するわけじゃなくて、その細胞が出す「成長因子」とか「サイトカイン」っていう物質を使うらしい。なんか、細胞同士が会話するときの言葉みたいなものって言われて、妙に腑に落ちた。人間の体って、ちゃんと修復するための仕組みを持ってるんだよね。ただ年齢とともにその働きが弱まってくる。だから外から補ってあげるっていう発想。

そういえば数年前、僕自身が腰痛で整骨院に通ってた時期があって。あの頃はとにかく「痛みを抑える」ことしか考えてなかった。湿布貼って、マッサージ受けて、痛み止め飲んで。でもそれって根本的にどうにかしてるわけじゃないんだよね…っていうのは、今になって思うことだけど。

友人の母親の場合、治療を受けてから数週間後くらいに「なんか膝が軽くなった気がする」って言い始めたらしい。劇的に何かが変わるわけじゃないけど、朝起きた時の違和感が減ったとか、階段の上り下りが楽になったとか。地味だけど、日常生活ではそういう変化がすごく大きい。実際、彼女は今も月に一度くらいの頻度でメンテナンス的に通ってるって聞いた。

再生医療って言葉だけ聞くと、なんかSFみたいで遠い世界の話に感じてたんだけど。実際には美容クリニックでも使われてたりするし、整形外科やスポーツ医学の現場でも取り入れられてる。培養液に含まれる成長因子が、肌のターンオーバーを促したり、関節の炎症を抑えたりする働きがあるって知ってから、ああこれって別に未来の話じゃないんだなって思った。

僕が一番印象に残ってるのは、友人が言った「母さん、また庭いじりできるようになったんだよ」っていう一言。彼の実家には小さな家庭菜園があって、膝が痛くなってからはしゃがむのが辛くてほとんど手入れできなくなってたらしい。それが今は、トマトとかナスとか普通に育ててるって。

治療の効果って、数値で測れるものだけじゃないんだよね。「できなくなってたことが、またできるようになる」っていうのは、本人にとってどれだけ大きいことか。

ちなみに培養液を使った治療って、点滴とか注射とか、いろんな方法があるみたい。友人の母親の場合は膝への局所注射だったけど、全身的なアプローチもあるらしい。細胞レベルで働きかけるから、一箇所だけじゃなくて体全体の調子が整ってくるっていう話も聞く。実際どこまで効くのかは正直わからないけど、少なくとも「対症療法じゃない選択肢」があるっていうのは知っておいて損はないと思う。

まあ、全員に効くわけじゃないだろうし、向き不向きもあるんだろうけど。ただ、こういう選択肢が増えてきてるっていうこと自体は、悪くない流れだと思ってる。

組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆