エボラやインフルにもヒト幹細胞は効果的
新型コロナウイルス感染症に対し、さまざまなアプローチから実施されている臨床試験でヒト幹細胞を用いた治療法の効果が認められています。
肺炎の症状を改善させる変化があったということで、そのほかのウイルスを原因とする症状にも目を向けてみましょう。
レムデシベルについて
感染症としてエボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスに関しては、治療薬としてすでに使用されているレムデシビルが新型コロナウイルスの治療薬としても承認されました。
エボラ出血熱は1976年にアフリカで発生した後、2014年からも各地で感染が広がっています。
コンゴでは2018年まで10度にわたる流行があり、2020年においてもなお終息に至っていません。
元々はフルーツコウモリがウイルスの宿主であると見られていて、感染している動物の血液などと接触することによって人間も感染することとなります。
症状には頭痛や高熱など、病状が進むと多臓器不全などもあり感染症としてはかなり危険性が高いものです。
ヒト幹細胞が効果的であるかどうかを含め、確度の高い治療法が確立されるには至っていません。
現在で使用されている幹細胞治療薬
疾患の研究に際してはiPS細胞、ES細胞といった幹細胞から作製され培養された血球も使用されています。
またインフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスの流行は、見られない年がありません。
予防接種は行われているもののウイルスに性質の異なった型がいくつもあり、年によって流行する型も異なるためワクチンが一致していなければ感染してしまいます。
4ヶ月ほどの期間で爆発的に感染が広がることも特徴であり、それだけの間に感染しているおよそ1,000万人という人数は到底軽視することのできないものです。
症状に咳や発熱など風邪と共通するものも多いため、自覚症状からインフルエンザである可能性を考えなければ重症化する危険もあり注意しなければなりません。
発熱は38℃を超える高熱になり、また頭痛や倦怠感なども合併症として、肺炎やインフルエンザ脳症の発症するリスクもあります。肺炎となると、インフルエンザウイルスによる肺の大きなダメージも避けられません。
ただそこで、ヒト幹細胞がさまざまな細胞へ分化し肺の再生にとって助けとなるのです。ですから幹細胞を用いた治療についても、効果は十分に期待することができるでしょう。
再生医療の分野でヒト幹細胞が注目を集め始めたのは、近年のことです。
現状においてもさらなる研究が進められていますから、今後の感染症に対する治療でより活用される方向へ向かうことは間違いないでしょう。