iPS細胞とヒト幹細胞、何が違うのか聞かれて初めて気づいた話

「再生医療」って言葉、最近よく聞くようになった。
でも正直、iPS細胞とヒト幹細胞の違いって説明できる人、どれくらいいるんだろう。私も先月、友人に「結局どう違うの?」って聞かれて、うまく答えられなかった。なんとなくイメージはあるんだけど…って感じ。それで改めて調べてみたら、思ってたより面白い違いがあったんだよね。
iPS細胞っていうのは、簡単に言えば「作られた万能細胞」。山中伸弥教授がノーベル賞を取ったあれで、普通の皮膚細胞とかに特殊な遺伝子を入れて、どんな細胞にもなれる状態に「初期化」したもの。いわば細胞の時計を巻き戻す技術。理論上はどんな組織も作れるから、将来的には臓器まで再生できるかもしれないって期待されてる。ただ、まだ研究段階のものが多くて、実用化にはもう少し時間がかかりそう。
一方でヒト幹細胞は、もともと人間の体の中にある細胞。骨髄とか脂肪組織、臍帯血なんかに含まれてて、自然に存在してる。万能性はiPS細胞ほどじゃないけど、特定の組織に分化できる能力を持ってる。
そういえば去年の夏、膝を痛めて整形外科に行ったとき、待合室で「幹細胞治療」のパンフレットを見たことがある。あのときは「へー、そういうのもあるんだ」くらいにしか思わなかったけど。
実はこのヒト幹細胞を使った治療、すでに美容や整形外科の分野で実用化が進んでる。特に注目されてるのが、肌の再生とか関節の修復。自分の脂肪から採取した幹細胞を培養して、また体に戻すっていう方法。培養液に含まれる成長因子が、周りの細胞を活性化させて、組織の修復を促すらしい。朝の情報番組で見たんだけど、実際に施術を受けた人の膝の軟骨が改善してる映像とか、けっこう衝撃的だった。
何が大きく違うかって言うと、実用化のスピード感なんだよね。iPS細胞は確かにすごい技術だし、将来性は計り知れない。でも安全性の確認とか、腫瘍化のリスクをどう抑えるかとか、クリアしなきゃいけない課題が山積み。それに対してヒト幹細胞は、もともと体にあるものだから拒絶反応のリスクが低いし、すでに多くのクリニックで実際の治療に使われてる。「今、使える技術」っていう点では、圧倒的にヒト幹細胞のほうが先を行ってる。
個人的に興味深いのは、ヒト幹細胞の培養上清液っていうやつ。幹細胞そのものじゃなくて、幹細胞が分泌した成分を集めた液体。これがまた面白くて、直接細胞を移植しなくても、この液体に含まれるサイトカインとか成長因子が、損傷した組織の修復を助けてくれる。美容クリニックの「セルリバイタル」っていう施術とか、この原理を使ってるらしい。
もちろん、どっちが優れてるって話じゃない。iPS細胞は未来の可能性を広げる研究の最前線で、ヒト幹細胞は現在進行形で人々の悩みに応えてる。目指してるゴールも、アプローチも違う。ただ、「再生医療」っていう大きな枠組みの中で、それぞれが違う役割を果たしてるってことなんだと思う。
で、結局のところ何が言いたいかっていうと…まあ、知っておいて損はないかなって。特にヒト幹細胞のほうは、もう私たちの生活に近いところまで来てるから。
組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆