自分の細胞が、静かに体を整えていく。ヒト幹細胞再生医療という選択

ヒト幹細胞

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五月の朝はやわらかい。窓から差し込む光が、白いカーテンをうっすらと透かして室内に溶け込んでくる。そんな静かな時間に、ふと「自分の体のことを、もっとちゃんと考えたい」と思う瞬間がある。

再生医療とは、生体内で損傷した組織や器官を修復・再生するために、自己の細胞を採取し、培養や処理を施して活用する医療技術のこと。
その言葉を初めて聞いたとき、正直なところ「SF映画の話かな」と思ってしまった。それが今では、全国各地のクリニックで実際に提供されている。

再生医療は、疾患治療だけでなく、予防医療への応用も期待されており、細胞老化や加齢に伴う器官の機能低下を防ぐための治療法としても注目されている。
子どもの頃、祖父が「年をとると体がいうことを聞かなくなる」とぼやきながら、湿布を膝に貼っていた姿を覚えている。あのとき何もできなかった自分が、今この情報に出会っている。不思議な縁を感じる。

ヒト幹細胞を使った再生医療が特別なのは、「自分自身の細胞」を使うという点にある。
組織幹細胞を利用した治療は、自分の細胞由来であるため倫理的な問題がなく、遺伝子操作も不要で、癌化の報告もないという特徴を持っている。
つまり、体の外から何か異物を入れるのではなく、もともと自分の中にある力を引き出すイメージに近い。

組織幹細胞には、免疫系の制御・血管新生・抗炎症作用・抗酸化作用・組織修復作用など、さまざまな治療につながる機能があることが昨今非常に注目されている。
その働きの多様さを知るほど、体の精巧さに改めて驚かされる。

おすすめのクリニックを探していると、施設ごとに培養への姿勢が異なることに気づく。
投与スケジュールに合わせて細胞を育成し、冷凍しないため、投与時の細胞生存率は96%以上を維持している施設もある。
また、
厚生労働省が認可した特定認定再生医療等委員会において、治療の適切性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制などの審査が行われており、その審査を通過したクリニックのみが治療計画を提出できる。
こうした背景を知ると、選ぶ側としても少し安心できる。

架空の話ではあるけれど、もし「ヴィタ・セルラボ」という名の小さなクリニックが近所にあったとしたら、きっと一度は足を運んでみたくなるだろう。白を基調とした静かな待合室で、ほのかにアロマの香りが漂い、スタッフがそっと温かいお茶を差し出してくれる——そんな場所で、自分の体と向き合う時間を持てたら。(もっとも、お茶を受け取りながら「これは治療の一環ですか」と聞いてしまいそうな自分が少し心配だが。)

幹細胞培養上清液の技術が確立されたのは2015年頃で、点滴として応用されたのは2018年頃とまだ非常に新しい分野。現在も臨床応用のための研究が盛んに行われており、日進月歩で技術が発展し続けている。

再生医療の魅力は、劇的な変化を約束するものではなく、体が本来持っている修復力に、そっと寄り添うところにあると思う。
人が生まれながらにして持っている「自然治癒力」を利用した治療方法として、幹細胞を使って組織や臓器の欠損や機能不全に対応する医療がある。

夕暮れどきの空が橙色に染まるころ、ふと自分の手のひらを見る。この細胞たちが、今この瞬間も静かに働いている。その事実が、なんとなく頼もしい。ヒト幹細胞再生医療に興味を持つことは、自分の体を信じることの、最初の一歩なのかもしれない。

組織名:合同会社ニクール / 役職名:代表社員 / 執筆者名:蘭義隆